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Excelで地図グラフ |
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付録 |
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白地図編集処理では、主に2つのシートを使います。1つは「作業シート」で、白地図の図形を作成、編集するシートです。このシートはブック内の任意のシートを使用することが可能で、ダイアログボックスの「作業シート」で指定します。 |
■作業シートの指定
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もうひとつは「白地図編集シート」で、「作業シート」の図形を白地図データに変換した座標を一時的に記録しておくシートです。このシートは非表示の状態になっています。 作業シートと白地図編集シートの関連を、次図に示します。 |
■機能の相関図
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作業シートで作成、編集された図形は、ダイアログボックスの[図形 → 白地図データ作成]ボタンを押すと、その図形の座標データが白地図編集シートに記録されます。 |
■[図形 → 白地図データ作成]ボタン
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白地図編集シートに変換された座標の情報は、[編集中の白地図描画]ボタンを押すと作業シートに表示することができます。 |
■[編集中の白地図描画]ボタン
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既存の白地図シートを修正する場合、あるいは、既存の白地図をベースに新たな白地図を作成する場合は、[白地図描画]ボタンを押します。既存の白地図シートが作業シートに表示されます。 |
■[編集中の白地図描画]ボタン
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白地図編集シートの内容は、[白地図保存]ボタンを押すと白地図シート、及び白地図ブックに保存されます。 |
■[白地図保存]ボタン
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エリアとエリアの間に引く線分を「区分線」と呼びます。区分線はエリア間の距離を省略する場合などに表示します。次の例は、標準白地図2(FFMAP_JAPAN02.MAP)で表示される区分線の例です。 |
■区分線
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区分線は、白地図を構成する要素ですが、その主目的は視覚的な効果であり、グラフ化の対象にはなりません。このため、グラフ化の対象になる通常のエリアと、区分線を区別する必要があります。 白地図編集処理で区分線を作成する手順を次に示します。 |
1.作業シートに区分線を追加します |
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区分線を追加する白地図を作業シートに描画して、区分線を追加します。区分線は、オートシェイプの直線、またはフリーフォームを使って作成します。 |
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■区分線の追加
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2.白地図データに変換します |
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区分線を追加した作業シートの図形を白地図データに変換します。白地図編集処理を起動して、[図形 → 白地図データ作成]
ボタンを押します。 |
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■白地図データに変換
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上図は、白地図データに変換した後の作業シートの状態です。直線で作成した区分線は自動的に区分線と認識され、エリア名に「区分線n」が付与されています。(区分線のエリア名は、”区分線n”−
n は区分線の連番 − になります) しかし、フリーフォームで作成した区分線は、当初、エリアとして認識され、始点と終点が結合した図形に変換されます。 |
3.区分線であることを明示的に指示します |
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フリーフォームとして認識された区分線は、明示的に区分線であることを指示する必要があります。 白地図編集処理を起動して、ダイアログボックスの「エリア編集」欄で区分線として変換するエリアを選択後、[区分線設定]ボタンを押します。 |
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■区分線設定
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フリーフォームとして認識された区分線は、明示的に区分線であることを指示する必要があります。 白地図編集処理を起動して、ダイアログボックスの「エリア編集」欄で区分線として変換するエリアを選択後、[区分線設定]ボタンを押します。 確認後、区分線設定を実行すると、指定されたエリアが区分線に変換されます。 |
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■区分線への変換
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異なる複数のエリアを同一データでグラフ化したい場合があります。たとえば、四国の4県をブロックで集計された”四国”としてのデータでグラフ表示するような場合です。 このようなグラフを作成する方法は2つあります。 |
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データシートの四国4県にそれぞれ同じデータを入力する |
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白地図を編集してエリアをブロック化する |
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■4県に同じデータを入力
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地図グラフでは、このようなブロック別のデータを処理する手段として
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■ブロック化によるグラフ表示
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エリアのブロック化は、次の手順で行います。 |
1.ブロック化する白地図を作業シートに表示します |
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白地図編集処理を起動して、ダイアログボックの白地図描画欄でブロック化する白地図を表示します。 |
■ブロック化によるグラフ表示
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2.作業シートに表示した図形を白地図データに変換します |
白地図編集処理を起動して、[図形 → 白地図データ作成]ボタンを押します。作業シートに表示されている図形が白地図データに変換されます。 |
■白地図データへの変換
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3.エリア名を変更します |
白地図編集処理を起動して、エリア名編集欄でエリア名を変更します。まず最初に、ブロック化するエリアのうち主となるエリアのエリア名を変更します。”主となるエリア”は、どのエリアを選んでも構いませんが、棒グラフ、記号グラフのグラフ表示位置を考慮して、なるべくブロックの中心に位置するエリアを選んだ方がよいでしょう。四国4県のブロック化を行う下図の例では、高知県を主となるエリアとして選び、エリア名を”四国”に変更しています。 |
■エリア名の変更
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次に、残りのエリア(従とするエリア)のエリア名を変更します。残りのエリアのエリア名は、主となるエリアのエリア名+$連番の形式で指定します。($は半角で入力します) 地図グラフでは、エリア名に半角の $ が用いられているエリアをブロック化の従とするエリアとして認識します。 |
■ブロック化の指定
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4.編集した白地図を保存します |
最後に、ブロック化の指定を行った白地図を保存します。 |
■白地図の保存
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ブロック化した白地図を使って地図グラフを作成する場合、データシートでは”主となるエリア”に命名したエリア名でデータを用意します。 |
■データシート
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エリア原点の指定は、白地図編集処理の[エリア原点位置調整]ボタンで行いますが、作業シートに表示されているエリア原点図形(![]() この方法によるエリア原点の指定手順を次に示します。 |
1.エリア原点を指定する白地図を作業シートに表示します |
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白地図編集処理を起動して、ダイアログボックの白地図描画欄でエリア原点を指定する白地図を表示します。 |
■原点を指定する白地図の表示
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2.作業シートに表示した図形を白地図データに変換します |
白地図編集処理を起動して、[図形 → 白地図データ作成]ボタンを押します。作業シートに表示されている図形が白地図データに変換されます。 |
■白地図データへの変換
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3.移動するエリア原点を選択します |
作業シートにおいて、移動するエリア原点を選択します。移動するエリア原点図形(![]() ![]() |
■エリア原点図形の選択
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4.エリア原点を移動します |
選択したエリア原点図形をドラッグして、目的の位置まで移動します。 |
■エリア原点図形の移動
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5.白地図データに変換します |
エリア原点の移動が終了したら、白地図編集処理を起動して、[図形 → 白地図データ作成]ボタンを押します。
移動したエリア原点の位置が白地図データに変換されます。 |
■白地図データへの変換
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6.白地図を保存します |
最後に、エリア原点を移動した白地図を保存します。 |
■白地図の保存
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白地図を保存すると、アクティブブック(地図グラフを作成しているブック)に白地図シートが作成されると同時に、地図グラフをインストールしたフォルダに、白地図ブックが作成されます。 |
■白地図の保存
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白地図ブックは、各地図グラフの「補助機能」→「白地図シートのコピー」で一覧表示される形式のブックであり、これにより、作成した白地図シートを他のブックでもコピーして使えるようになります。 白地図ブックを手作業で作成する場合は、次のルールに従ってください。 |
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白地図ブック名の先頭5文字は、半角で「FFMAP_ 」としてください。![]() |
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ブックの最初のシート(シート見出しの左端)として白地図シートを置いてください。![]() |
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白地図ブックは地図グラフのインストールフォルダに置いてください。![]() |
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白地図データの構造は非常に単純で、この項で説明されている事項をご理解いただくことにより、お手持ちの座標データを地図グラフで利用可能な白地図データ(白地図シート)に変換することができます。 |
データの構造 |
白地図データは、ヘッダー部とエリアデータ部で構成される文字データの集合です。ヘッダー部は白地図の識別情報を、また、エリアデータ部は、白地図を構成する各エリアの輪郭を描画するための座標データとエリア名、エリア原点に関する情報を持っています。 |
■白地図データの構造
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ヘッダー部 |
ヘッダー部のデータは2行です。1行目は、白地図データである識別情報として $MAP
という固定のキーワードを、2行目には、白地図の名称を $CONT= キーワードの後に記述します。 次の例は、標準白地図1のヘッダー部の内容です。 |
■標準白地図1のヘッダー部の内容
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エリアデータ部 |
エリアデータ部は、各エリアの座標データとエリア名、エリア原点に関する情報が記録されている部分です。同じ形式のデータが、エリアの数だけ連続しています。 次の例は、標準白地図1の「東京」のエリアデータです。 |
■標準白地図1のヘッダー部の内容
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コメント |
エリアデータ部において、半角の $(ドル記号) で始まる行はコメント行になります。コメント行は白地図データとしては意味を持ちません。メモ等の書き込みにご使用ください。 | |
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エリア原点情報 |
エリアデータ部において、半角の #(シャープ記号) で始まる行はエリア原点を記録する行になります。この行には、# に続けて、エリア名、エリア原点のX座標、エリア原点のY座標を半角のカンマで区切って記述します。 | |
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エリア座標データ |
エリアの輪郭を描画するための座標点を1行に1つ記述します。データの並びは、X座標、Y座標の順で、半角のカンマで区切ります。エリアの座標は必ず閉鎖図形として指定しなければなりません。 このため、エリア座標データの開始点 ![]() ![]() |
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終端データ |
1つのエリアの終端を表すデータとして -1 をカンマで区切って2つ記述します。
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上記「東京」のエリアデータで描画されるエリアの輪郭を次に示します。 |
■東京のエリアデータにより描画される図形
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座標系 |
白地図データで指定する座標は、セルA1の左上隅を原点(0 ,
0)とするポイント座標で指定します。X座標は右方向、Y座標は下方向にそれぞれ増加します。 次の図は、解像度が縦768×横1024の場合の縦横のポイント数です。 セルの幅と高さが標準の場合、列A〜Mで横幅(X方向)が702ポイント、1行目〜28行目で高さ (Y方向)が378ポインになります。 |
■画面のポイント数
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「機能074:フリーフォーム自動作成」を使うと、セルの塗りつぶし情報からフリーフォームを自動的に作成することができます。 |
■機能074:フリーフォーム自動作成
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この機能は、上図のように、形状が四角形の組み合わで構成されるエリアの図形を作成する場合に有用です。このような図形を作成するには、通常、Excelの「オートシェイプ」−「線」−「フリーフォーム」を使いますが、線分による図形の作成は、意外に難しく、根気を必要とする作業になります。この機能を利用すると、エリアの輪郭を塗りつぶすだけで簡単にフリーフォームを作成することができます。 是非、お使いください。 |
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Excel2000では、その潜在的な不具合(技術情報:Excel2000におけるフリーフォーム描画の不具合)のため、作業シートで作成した図形を白地図データに変換できない場合があります。 白地図データに変換できない図形は、次のように確認することができます。 |
■白地図データへの変換エラー
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上の例では、”佐渡”のエリアを意図した図形が白地図データに変換できないエリアになります。 技術情報(Excel2000におけるフリーフォーム描画の不具合)にもありますように、Excel2000では、 1.フリーフォームの始点と次の第2頂点の座標の間隔が狭い場合 2.各頂点の間隔が狭い場合 座標データをもとにしたフリーフォームを描画することができません(あるいは、意図しない形状のフリーフォームになります)。 このような場合は、第2頂点の座標まで比較的距離のある始点を選んで図形を作成するか、各頂点の座標間に充分な距離を持たせた図形を作成するようにしてください。 |
■Excel2000でのエリア作成
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次のようなエリアを作成する場合 |
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白地図データへの変換ができない場合があります。始点
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白地図データへの変換でエラーは発生しませんが、次のような誤った図形が描画されてしまいます。 |
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原因は不明ですが、![]() ![]() |
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正しく白地図データへ変換されます。 |
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Excel2000で白地図を作成する場合は、エリアを構成する頂点の座標間に十分な余裕を持たせるようにしてください。また、前述のように、始点の座標を変更するだけで意図した形状の図形を作成することができるようになりますので、変換時にエラーが発生した場合は、この対処も有効な対策になりえます。 |
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スキャナで読み取った画像やインターネットで取得した画像を白地図作成の下絵として利用する事ができます。 |
画像の貼り付け |
作業シートに下絵とする画像を貼り付けます。 画像ファイルとして保存されている場合は、Excelのメニューで「挿入」−「図」−「ファイルから」を実行して画像ファイルを読み込みます。他のアプリケーションでコピーした画像データは、クリップボードを経由して、Excelのメニューで「編集」−「貼り付け」を実行します。 |
■画像を作業シートに貼り付ける
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フリーフォームの作成 |
下絵を参考に、エリアの境界線に沿ってフリーフォームを作成します。 |
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フリーフォームの書式はあらかじめ指定しておき、「既定値」として設定しておくとよいでしょう。 上図の例は、次のようなフリーフォームの指定を行ったものです。 |
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下絵の削除 |
すべてのエリアについてフリーフォームを作成します。フリーフォームの作成の終了後は、下絵を削除します。 |
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白地図データの作成 |
下絵の削除後は、通常の白地図作成作業と同じように、「白地図データへの変換」→「エリア名編集」→「エリア原点の移動」を行ってください。
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